樹脂設計のポイント How to resin design

樹脂製品を設計・製造するにあたってお客様のアイデアが製品になるまでの流れ、留意点です。
品質不良やコストアップ、納期遅れといった問題の発生原因は、70~80%が製品設計の完成度にあると言われています。
特に、樹脂製品設計の場合、金型、射出成形に関する知識不足のために、このような問題を招くことがよくあります。

樹脂製品の設計ポイント

  1. 樹脂部品、機械部品、電気・電子部品、基板等の構造検討
  2. 樹脂部品の設計検討
    抜き勾配をつける、肉厚の均一化、エッジコーナーを作らない、アンダーカットの抜き方、ゲートの種類と位置
  3. 樹脂部品の射出成形金型検討
    射出成型機選定、PL面決定、ゲート方案、加工方法、入れ子方案、アンダーカット処理、突き出し方法(エジェクターピン、傾斜ピン、アンギュラーピン、スライドコア等)、冷却方法、金型材決定、自動化方案、多数個取り
  4. 射出成形不良の予防検討
    ヒケ(原因:ボス、リブの肉厚)、ボイド(原因:厚肉)、バリ(原因:金型の合わせ)、焼け(原因:ガス逃げ)、
    そり(原因:肉厚、ゲート位置)、ジェッティング(原因:ゲート径)、シボ加工のバリ(原因:PL面R合せ)取り出し不良(原因:抜き勾配、アンダーカット)
樹脂設計改善事例
改善1屋外使用のIoT機器ケース
問題点
他社にて設計された防水ケース(屋外使用)において浸水テストを実施した際に水の浸水があり、設計見直しを依頼されました。
原因
ねじで固定するためケース全体がたわんでしまい、固定ネジ間でパッキンへの圧力が弱まっている。
改善案
ネジ間距離やケース外形は変更不可であったため、ケース内部の補強リブの高さをアップさせた。
長手方向の剛性が高まったことでネジ間でも浸水を防げる圧力を確保できた。
※剛性…物体の固さ、変形しづらさのこと

改善2大型容器のキャップ
問題点
大型容器のキャップを生産するにあたり、成形金型のコストダウンの依頼がありました。
原因
大きなネジが存在し、成形する為には金型のスクリュー機構が必要だった。
スクリュー機構の為に成形時間が長くなり、コストアップに繋がっていた。
改善案
キャップネジ部を断続的にすることにより、金型のスクリュー機構を回避し金型費のコストダウンや成形時間の短縮を実現しました。
改善3通信機器ケース
問題点
お客様にて設計された通信機器のケースで量産前の解析にて形状不備が発見されました。
ネジボスと外壁が繋がっている箇所の板厚が厚くなっており、ヒケの発生が想定されました。
原因
射出成形では製品の板厚を均等にする必要があります。
板厚が厚い箇所ではヒケ(表面がくぼんでしまう不良)が発生します。
改善案
ネジボスと外壁の離し、板厚が均等となる設計変更を行った。

改善4屋内用センサーケース
問題点
お客様にて設計されたスイッチユニットを量産するにあたって金型費を抑える為の改良設計を依頼されました。
改善案
スライド機構の必要が無い形状に修正してお客様に提案しました。
スライド機構を無くすことによって外観部に余計な形状がつく場合もあるので見た目と費用面のバランスをお客様と打合せながら最終形状を決定しました。

納品までの流れ

プロダクトデザイン
  • アイデア
  • リサーチ(市場調査、類似品など)
  • ラフスケッチ
  • 製品デザイン
設計・試作
  • 製品設計(筐体、部品、機構、意匠)
  • 3D製品データ作成
    (成形後の製品不良を防ぐことを考慮した形状: リブ、勾配、厚み、スライド機構、ルーズコア、 エジェクタ方式、ゲート方案、シボ処理等
  • モックアップ製作・検証
生産
  • 金型設計用3D製品データ完成
  • 3DCADによる金型設計
    (ゲート方案、プレート数、型数、レイアウト、機構等)
  • 金型材料・成形材料手配
  • 金型CAMプログラム作成
  • NCマシン切削加工、電極製作(マスター承認)
  • モールドベース加工、金型パーツ手配
  • 金型磨き、型合わせ、組立、最終金型調整
金型製作
  • TRY成形(T0)
  • 成形品評価 (形状、外観、反り、曲がり、バリ、寸法)
  • 成形条件見直し、金型修正
  • 再TRY成形(T1)
  • 製品再評価、パーツ嵌合確認
  • 検収
  • 表面処理(シボ等)
  • 量産試作(20~100個)
  • 検査
  • 量産
  • 2次加工(塗装、印刷、メッキ)
  • 出荷前検査(検査成績表作成)
成形
納品
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